孝道山歩(こうどうさんぽ)

2022/07/01

心に潤いを与える場

〜穏やかで思いやりある 心育てる人びとが集う〜

 東急東横線の車窓から孝道山を見たことがある人は多いと思います。

 孝道山と電車の位置はどうなっているのだろう?最寄りの神奈川大学に向かう丘の上から眺めると、本堂(本仏殿本堂)の真下を電車が行き来していました。

 ビルやマンショの四角の建物を前景に、瓦ぶきの大屋根の本堂が立っています。
 「伽藍(がらん)は単に建物がそこにあるというのではなく、大きな布教です。目の前に形があることで初めて認識できるということがあります。私の師匠はよく『坐禅はどこでもできる』と話しておりましたが、場があることでやりやすくなることはあります」。

 これは孝道山とご縁の深い、臨済宗建仁寺派の小堀泰厳管長の言葉で、本堂を建立した岡野正貫孝道山二世統理(1925〜2019年)の事績をたたえたものです。
 
 正貫統理は本堂を聞法の道場にしたいと願いました。仏教の教えを求め、教えを聴き、自らの心を豊かにしていこうとする人たちが集まる場です。そこで、お釈迦さまが大きな木の陰にゆったりと座って教えを説き、弟子や在家の人たちが周りを囲んでいる様子をイメージしました。本堂は天井から自然光を取り入れ、床は心安らぐ緑のカーペットを敷いています。
 
 本堂が見える景色は、単に建物がそこにあるというのではなく、穏やかで思いやりのある心を育てる場が地域にあるということ。このことをより多くの人と分かち合いたいです。

2022/06/01

身を施して法を聞く

〜仏教の奥深さを伝える 本仏殿本堂40周年祝う〜

 本仏殿本堂のそばで咲くツツジが朝の日差しを浴びています。
 本堂は一昨年、落慶40周年を迎えました。コロナ禍で延期されていた音楽と舞による記念法要「施身聞法(せしんもんぽう)」供(ぐ)が今月12日に営まれます。実に本堂落慶以来です。

 施身聞法は「身を施して法を聞く」というお釈迦さまの前生譚(ぜんしょうたん)で、「雪山童子(せっせんどうじ)」の名で知られます。物語を少し紹介しますと…。

 雪山(ヒマラヤ)の奥深く、童子が悟りを求めて修行していると、どこからともなく、「諸行無常(しょぎょうむじょう)是生滅法(ぜしょうめっぽう)」との歌声が聞こえてきました。それは童子が長い間求めていた永遠の真理の言葉でした。

 「この偈文(げもん)には必ず後の半句があるに違いない。ぜひ聞きたいものだ」。童子の周りに人の姿はありません。谷間にものの動く気配を感じて急いで行ってみると、そこのいたのは羅刹(らせつ)でした。恐ろしい鬼です。

 偈文は羅刹が唱えたものでした。童子は後の半句を歌ってほしいと頼みます。すると羅刹はすっかり腹をすかしているから歌えないと断りました。その後童子はいかにして後の半句を聞くことができたでしょう…。

 作詞は岡野正貫孝道山二世統理、作曲は浅草寺(東京)の田中昭徳貫首。音楽家でもある田中貫首は「『音楽で仏教の神髄を伝えたい。誰もが歌えて親しめる仏教讃歌を書いていきたい』と発心を抱いていた矢先」に、施身聞法供を作曲されたといいます。

 境内のツツジが咲き誇る中、本仏殿本堂にお参りして仏教の奥深さに触れたいものです。

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