孝道山歩(こうどうさんぽ)

2019/06/05

ブッダのこどもの式

〜人が人らしく生きる 世代超えて磨き合う〜

 さまざまな世代が集うお寺。
 孝道山の大きな特徴です。83年前に開かれて以来、世代を超えて受け継がれてきました。これは、親が子の幸せを願う思い、仏教の教えに触れて良い縁に恵まれてほしいとの親心が連綿として尽きないことでもあります。
 そうした思いのこもった「ブッダのこどもの式」が5月6日に孝道山本仏殿で営まれました。仏さまに守られて心優しくたくましく成長することを願う大切な儀式で、4年ぶりの開催です。
 5歳から小学生までの27人が参加しました。式では、仏教で最も大切な三つのもの、仏と法(仏の教え)と僧(仏の教えを奉じるサンガ)に帰依することを誓う三宝帰依文を唱えました。いわく、
 「みずから仏に帰依したてまつる」
 「みずから法に帰依したてまつる」
 「みずから僧にきえしたてまつる」
 仏さまを信じ、その教えを学び、サンガに集う仲間を大切にするという意味です。
 子どもたち一人一人に誕生仏を手渡した岡野華蓮孝道山第三世副統理が、法話の中でこんな質問をしました。
 「皆さんは、どんな動物が好きですか?」
 子どもたちはめいめいに、
 「ネコ」「モルモット」…。
 「では、カラスは?」と、岡野副統理は問いかけ、世間でカラスは嫌われ者だけれども、ある時一人の僧侶が、道端のカラスの死骸を拾い上げ、合掌して丁寧に葬ったことを語りました。「生きとし生けるものの命はすべて尊いことを教わりました」と。
 この話を聞いて同じような場面を思い出しました。若い僧侶とインドを旅した時のことです。田舎町のあちこちで野良犬の死骸を見かけ、そのたびに僧侶は合掌しお経を唱えて弔うのです。自然な振る舞いでした。
 ブッダのこどもの式に参加した母親の一人は「カラスの話を聞く子どもの純真さに心が洗われました。このまま真っ直ぐに育ってほしい」と話しました。
 お寺にさまざまな世代が集うことは、人が人らしく生きることを磨き合うことでもあると、教えられた一日でした。

2019/06/05

孝道山花まつり

 〜一人一人の心の調和で 新時代に平和な文化を〜

 新しい天皇陛下のご即位、慶祝を申し上げます。
 新元号の「令和」には、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味」が込められているといいます。そうした平和な社会が到来することを、心より祈念しています。
 「花まつりの誕生仏を拝して゛平和″を感じない人はいないでしょう。今日この世界にとって最も大切なことは平和であります。(中略)この平和の精神を、単に人間界のみでなく、森羅万象にまで及ぼして成仏を説かれたのが仏教であります」
 孝道山本仏殿の岡野貴美子初代副統理はかつて、「孝道山花まつり」でこう述べました。 
 お釈迦さまは生後間もなく実母(摩耶夫人)を亡くされたと伝えられており、「お釈迦さまのご誕生を祝うたびに、いつも瞼の母であられる摩耶夫人へのお釈迦さまの思慕を想像して心切なく思うのです。仏教の教えを伝える『発句経』に“世に母あるは幸いなり”とあります」。貴美子初代副統理は、お釈迦さまの慈悲の心に思いを寄せて、誕生仏に平和を感じたのです。
 そうしたお釈迦さまの生誕をお祝いする第67回孝道山花まつりが4月1日から10日まで営まれました。同8日は釈尊降誕会を執り行いました。
 花まつりの期間中、境内や参道に誕生仏をまつった花御堂を設け、参拝者にはひしゃくで甘茶を注いで仏縁を結んでもらいました。お釈迦さまが誕生された時、甘露の雨が降り注いで花々が咲き競ったとの故事にちなむものです。
 誕生仏に込められた平和の願いを、私たちが暮らしの中で実現するためには、どのようにすればよいのでしょう。政治や社会の矛盾をはじめ、世界で広がる戦争や差別、格差、環境破壊など現代社会の変化は激しくさまざまなゆがみが生じています。
 孝道山では、社会は人々の心がつくりだすものとして、「調和と救済をもたらす菩薩になろう」とのメッセージを発信しています。社会に平和をもたらすためには、一人一人の心の調和が不可欠であり、社会の救済と人々の救済は同時に行われなくてはならない、と。 
 新たな時代を迎え、人々が調和の取れた心を寄せ合うなら、平和な文化が生まれ育つと信じています。

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