孝道山歩(こうどうさんぽ)

2021/12/01

今日作すべきことをなせ

〜コロナ禍で迎える師走 心込めていまを生きる〜

 深まる秋、孝道山の参道下にある公園のイチョウが美しく黄葉しています。晴れの日が多く、公園で憩う人をよく見かけます。
 
 遠くから眺めるとイチョウは黄金色の一色に見えます。しかし近づくと、葉の染まり具合はさまざま。黄金色から緑が勝っているものまでグラデーションが豊かです。

 絵本「葉っぱのフレディ いのちの旅」(レオ・バスカーリア作・みらいなな訳)にこんな一節があります。

 「生まれたときは同じ色でも いる場所がちがえば 太陽に向く角度がちがう。 風の通り具合もちがう。 月の光 星明かり 一日の気温 なにひとつ同じ経験はないんだ。 だから紅葉するときは みんなちがう色に変わってしまうのさ。」

 「なにひとつ同じ経験はない」とは、コロナ禍にも当てはまりそうです。人はそれぞれに事情が異なり、この事態をどう受け止めるかはさまざまでしょう。これまでの日常が通用しなくなり、貴重な時間を奪われていると感じる人、試練と捉えて乗り越えようとしている人・・・。孝道山でも感染の再拡大を警戒しながら行事などを再開しています。

 こうした中、岡野鄰子孝道山二世副統理は古い仏典にある「一夜賢者の偈」をもって、皆さんにエールを送ります。師走を迎え、今年も残り一月。心を込めていまを生きましょう、と。

  過ぎ去れるを 追うことなかれ。 いまだ来たらざるを 念(ねが)うことなかれ。 過去 そはすでに 捨てられたり。 未来 そはいまだ 到らざるなり。されば ただ現在するところのものを そのところにおいて よく観察すべし。 揺らぐことなく 動ずることなく そを見きわめ そを実践すべし。 ただ今日まさに作すべきことを 熱心になせ。・・・           (増谷文雄訳)

2021/11/01

修行は行住坐臥にある

〜相手に力を与えるため 自らの心身充実させる〜

 秋晴れの日の夕方、仏舎利殿に西日が当たり、空があかね色に染まっていきました。これまでよりも美しく感じたのは、長引くコロナ禍で日常の尊さを思い知らされているからでしょうか。

 神奈川県では4回目の緊急事態宣言が解除となり、孝道山も修行当番などを再開しました。参拝する人もだんだんと増え、会話もおのずと弾みます。

「しばらくの間、家族のほかに会うことがはばかれたので、友人や知人の様子を知ることから始めなければ」と話す人がいました。また最近の報道では、コロナ禍の影響で多くの子どもたちが心身に不調を来し、不登校や自死者が過去最多とあり、多くの家族が困難に遭遇していることを知らされます。

 こうした中、孝道山が目指す菩薩として生きるために、いまをどう過ごしたらよいでしょう。岡野正純孝道山統理はこう語ります。

「英語にエンパワーメント(empowerment)という言葉があります。相手に力を与えるという意味です。布教はエンパワーメントだと思います。相手の方が試練を乗り越えていくとか、前に進んで行くとか、悩んでいることを解消していくとか、勇気を持つとか…。相手の方が、力を発揮できるようになるためのご縁を与えるには、そもそも与える側に力がなければなりません。それには身体的なエネルギーや知的なエネルギーが自分の中で充実していることが重要です。それらの力が調和して発揮されなければなりません。そうすると食事や睡眠、運動などに気を付けたり、勉強や坐禅など宗教的なトレーニングに励む必要がある。それが修行だと思います」
 
 行住坐臥(ぎょうじゅうざが・日常の振る舞い)の中に仏道の修行がある、とのメッセージです。

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