『九州電力川内原子力発電所再稼働についての声明』
「すべてのいのちは尊く、すべてのいのちを大切にしなければならない」と説かれた釈尊のご精神にのっとり、九州電力川内原子力発電所1、2号機の再稼働決定に対し、強く遺憾の意を表明いたします。
原子力を利用した発電は、原料のウラン採掘から発電所の点検に至るまで、常に被ばく労働を伴います。
稼働とともに増え続ける使用済み核燃料や核廃棄物の処理問題は、技術的にも社会的にもほとんど解決されていません。
原子力発電は、人々に犠牲を強いることを前提としており、すべてのいのちを尊ぶ仏教の教えに反しています。
ましてや、東京電力福島第1原子力発電所事故の検証はいまだに十分ではなく、事故の責任はあいまいなままです。
廃炉作業もトラブルが続き、福島を中心に多くの人々が放射能汚染の危険にさらされ続けています。
原発事故が解決してもいないのに、再稼働を急ぐことは、事故の教訓に学ぼうとしない愚挙であり、払われた犠牲に対する背信行為です。
孝道教団は、東電福島原発事故を受けて、事故の悲劇を繰り返さないために2度の声明を発表いたしました。
原子力発電に頼らない自然エネルギーへの転換を促し、誰もが安心して暮らせる社会の実現を訴えてきました。
国や九州電力には、政治や経済の利害を優先して川内原発を再稼働するのではなく、いのちを大事にする社会を求める人々の声を尊重し、将来の世代も安心して暮らせる社会のあり方を、真剣に追及していただくことを、あらためて要望いたします。


2015年(平成27年)7月1日 宗教法人 孝道教団

*孝道教団は本声明文を7月1日付で発表いたしましたが、翌8月11日午前、九州電力川内原子力発電所は再稼働しました。